2025年4月9日水曜日

愛宕神社(向山)

愛宕神社(宮城県仙台市太白区向山4-17-1)

 仙台市地下鉄南北線愛宕橋駅を下車し、広瀬川にかかる愛宕大橋を渡ると一の鳥居が見えてきます。



 200段以上ある長い石段を上り、三の鳥居までくぐってから、やっと随神門が現れます。


 拝殿です。

主祭神 軻遇土神(かぐつちのかみ)

当神社は古く羽州米澤に御鎮座になられ、天正19年(1591) 藩祖伊達氏十七世政宗公が、米澤より陸奥國玉造郡岩出山に移るに際して、社も岩出山 に御遷座、 慶長5年(1600) 千代城を青葉山に築城、 名を仙臺(台)と改められ、慶長8年(1603)政宗公入府に合わせ社も一時国分荒牧村(現元寺小路)に仮遷座を行い、同年仙台城や城下を一望できるこの愛宕山(以前天狗山とも称す)に御社殿を御造営になられ、御遷座申し上げ、誓願寺を別当寺とし、合わせて5貫720文を寄進されております。以降藩内の安全を祈願するなど、とくに火防の祭は城下挙げての盛大な祭りが行われたといわれます。(愛宕神社HP「愛宕神社について」から引用)

 本殿は木に囲まれ、屋根の一部がかろうじて見えています。

 仙台総鎮守を名乗るにふさわしく、展望台からは仙台の中心部が一望できます。

 境内社もたくさん鎮座しています。こちらは愛宕天満宮

 正一位稲荷大明神

 勝鬨(かちとき)神社


 そして、産宝(むすひ)神社です。




 境内には桜が咲き誇っていましたが、曇り空のため写真映えはイマイチでした。この時季は晴れでも空が白っぽい日が多く、満開の桜に雲ひとつない青空にはなかなかお目にかかれません。残念です。

EOS R, EF24-105mm F4L IS USM

2025年4月8日火曜日

染殿神社

染殿(そめどの)神社(宮城県利府町赤沼字宮下21)

 県道仙台松島線(通称、利府街道)沿いの小高い丘に鎮座しています。


 石段を登って鳥居をくぐると板碑が並んだ平らな場所があり、さらに石段を登ると社殿が見えて来ます。


主祭神 大戸辺命(おおとべのみこと)、大苫辺命(おおとまべのみこと)、垂水之姫命(たれみずのひめのみこと)、染殿姫命(そめどのひめのみこと)

伝えるところによれば、文徳天皇(852年)の頃、時の摂政藤原良房の娘、故あり都をのがれて当地(利府町赤沼)に辿り着いた。年若く身重であり着ているものの荘厳さに田舎人は不審をいだくも親切な老夫婦の情けで宿をかり、出産した。この赤子は後の清和天皇の妹となる。やがて里人らは若い女性に協力をし、仮屋を作り、食物を運ぶ。里人らの深い愛情に女性は、里の婦を集めて裁縫・染物の技を伝授した。この女性が藤原良房の娘・文徳天皇の女御であった。染殿という名は藤原良房の屋敷の地名であるという。里人はその徳を慕って祀った。染殿神社は、いつ・誰が建てたかは不明である。(宮城県神社庁HPから引用)

 隣接する赤沼周辺から採れるイネ科の多年草「蓋草(かりやす)」は染料として昔から使われており、この神社の名を蓋草神社と記した江戸時代の文書もあるそうです。(利府町HP「染殿神社(そめどのじんじゃ)」参照)

EOS R, EF17-40mm F4L USM

2025年4月7日月曜日

雷神社(国見)

雷神社(宮城県仙台市青葉区国見6丁目13)

 JR仙山線国見駅から徒歩4分の荒巻雷神堂公園の中に鎮座しています。

 この場所の旧住所は「荒巻字雷神堂山」ですので、かつては山だったようです。


「雷神堂」は、国見地区の旧地名である「山屋敷」の人々が、近くにあった火薬製鉄所に深く心配を寄せ、火薬の神様「雷神」の怒りの鎮めるために祀ったといわれている。現在は公園になっているが、以前は仙山線沿線にあった「雷神山」の頂上に鎮座していたという。(HP「飲兵衛先生のまちづくり研究室」から引用)

 国見に近い青葉区貝ヶ森にかつて伊達藩の火薬製造工場がありました。現在、その跡地に記念碑が建っています。


 訪問した日は、境内のしだれ桜が満開でした。

EOS R, EF17-40mm F4L USM

2025年3月21日金曜日

伊豆佐比賣神社

伊豆佐比賣(いずさひめ)神社(宮城郡利府町飯土井字長者55)

 県道仙台松島線(通称、利府街道)利府飯土井長者前の交差点から北に約200mほどの小高い丘に鎮座しています。


主祭神 講昨比賣命(こうさくひめのみこと)

創祀年月不明、文徳天皇仁寿2年(852、平安)8月辛丑、陸奥国、伊豆佐咩神に正五位を加え奉ったことが、「文徳実録」に見え、当国登奈孝志神、志賀理和気神と同時進階であり、これは風雨の止まんと請い給うたのによる。延喜の制小社に班す。(略)明治維新当時、神域は陣営となり、建物等は破壊され、しばらくの間、祭典を欠くに至った。明治9年(1876)村社に列し、大正5年(1916)12月、神谷沢、菅谷、沢乙の三熊野神社を合祀して、春秋両時の祭典を行い、氏子等が専ら維持経営に励み、大正9年(1920)に神殿及拝殿を新築し現在に至っている。(宮城県神社庁HPから引用)

 主祭神は米作地帯の水の灌漑を第一に司る女性の神です。

 一時期鹽竈神社の摂社とされたことがあったようですが、現在の鹽竈神社のHPには境内外摂社としているものに当神社の名前はありません。今は鹽竈神社とは独立しているようです。

 境内社の飯土井(いいどい)稲荷明神です。

 こちらの境内社は、左から諏訪神社、山神社、愛宕神社です。

EOS R, EF17-40mm F4L USM

熊野神社(利府神谷沢)

熊野神社(宮城県利府町神谷沢字金沢55)

 仙台市と利府町の境近く、県道仙台松島選(通称、利府街道)から西に150mほど入ったところに鎮座しています。

 急な石段を登った先に社殿があります。この周辺の山は切り崩されて住宅地が造成されており、神社の周りだけが小高い丘になっています。


主祭神 熊野加夫呂岐神(くまのかぶろぎのかみ)

勧請年代詳かならず。安永風土記によれば宝永7年(1710)の再建、陰暦九月九日祭典と記す。もとは、本山派修験の自性坊が管理していた。大正5年(1916)利府村、伊豆佐売神社に合祀した。昭和23年(1948)現在の地に十坪の社殿を建て遷祀した。(宮城県神社庁HPから引用)

 境内に掲示された利府町教育委員会の説明板によれば、境内に梵字で「ア」と彫られた鎌倉時代作成の板碑があるとのことですが、どれのことか判りませんでした。

EOS R, EF17-40mm F4L USM

2025年3月10日月曜日

熊野那智神社

熊野那智神社(名取市高舘吉田字舘山8)


 名取熊野三山のひとつで、名取市の高舘山の山頂に鎮座しています。

 そもそもはこの山を紀州熊野の那智山に見立てたものと思われますが、現在はここに大規模な住宅団地(その名も那智が丘団地)が造成されたため、紀州の熊野那智神社の環境とは趣が異なってしまいました。


 拝殿です。

主祭神 熊野夫須美神(くまのふすみのかみ)

神社の由来は、明和9年 (1772) に記された『封内風土記』によれば、「養老3年(719) 広浦 (今の閖上)の漁師治兵衛が漁で引き上げた御神体を家に安置していましたが、ある夜、御神体が光を放ちその指す 方向が高舘山であったため、そこに宮社を建て羽黒権現として祀ったと言われ、その後、保安4年(1223)に名取老女が紀州熊野智大社の分量を合祀(ごうし)して那智神社と改称した」とされています。(名取市教育委員会「名取熊野三山ー熊野信仰とその歴史遺産ー」から引用)

 こちらは本殿です。


 境内に展望台があり、市内を一望できます。

 境内社の八咫烏社です。八咫烏は神武天皇東征の際、熊野で道に迷った天皇を案内して大和まで導いたと伝えられています。

EOS R, EF17-40mm F4L USM

熊野神社(旧新宮社)

熊野神社(旧新宮社)(名取市高舘熊野堂字岩口上51)



 名取熊野三山のひとつで三山の中心をなす熊野神社(旧新宮社)です。境内が広く、整備が行き届いています。



 拝殿です。

主祭神 速玉神(はやたまのかみ)

元々は新宮社でしたが、明治以後は現在の熊野神社と称するようになりました。主神は速玉神(はやたまのかみ)を祀り、東北地方屈指の熊野神社の一つとされています。新宮社の史料上の初見は、曆応4年(1341) 平泰経の寄進状(熊野神社文書)ですが、名取熊野の成立は平安時代末の12世紀頃と考えられており、新宮社もその頃にはあったものと思われます。当社が成立以後、武士などをはじめとする多くの人々から信仰を集めた事は、所蔵する古文書や文化財などから知る事ができます。(名取市教育委員会「名取熊野三山ー熊野信仰とその歴史遺産ー」から引用)


 拝殿の後ろに位置する奥宮です。左から老女の宮、十二社権現社、証誠殿、那智飛龍権現社です。

 十二社権現社、証誠殿、那智飛龍権現社の三棟は、熊野信仰に関わる様式の近世初頭の貴重な建築物として宮城県の有形文化財に指定されています。


 神池の中心に建つ神楽殿です。熊野堂神楽は春と秋の例大祭の際に披露され、県の指定文化財になっています。また、春の例祭には神池に水上の特設舞台が設けられ舞楽が演じられます。熊野堂舞楽も県の文化財に指定されています。


 文治5年(1189)、源頼朝が奥州東征で当社を訪れた際に座ったとされる「源頼朝公腰掛之石」です。頼朝がここに腰をかけて戦略を練り合戦に勝利したと言われていることから、この石に座るといい考えが浮かぶ、かもしれないということです。

EOS R, EF17-40mm F4L USM