2023年11月18日土曜日

仁渡神社

 仁渡(にわたり)神社(宮城県仙台市泉区古内)


 県道264号大衡仙台線を桜ヶ丘方面から北上し泉パークタウン入口の手前で右折すると、水田地帯の杉木立の中に鎮座しています。



 境内はきれいに清掃されています。


 由緒等不明ですが、鳥居のわきに平成5年(1993)に木の鳥居を石製に建て替えた際の経緯を記した石碑があり、多勢の氏子の名が刻まれていますので、今も地域で大切にお祀りされているようです。

 社殿の扁額には雲水社の記名があり、この社の別名だとか。ただ、社殿の中を覗いたところ、昔のものと思われる小さな本殿が収められていて、その扁額には仁渡宮と記されてありました。


 「ニワタリ神」は北関東から東北を中心に祀られていた神で、現在も関連する神社が存在するとのこと。祭神の傾向として、水を分配する神である天水分神(あめのみくまりのかみ)・国水分神(くにのみくまりのかみ)という神が一定数設定されており、ニワタリ神の「治水、灌漑の神」としての要素からの連想であろう、との説もあるようです。

EOS R, EF24-105mm F4L IS USM

2023年11月15日水曜日

北山の祠

 北山の祠( 宮城県仙台市青葉区北山2丁目5-22)

  小さな社の2つ目は、青葉区北山のおもちゃ屋「横田や」さんの向かいある駐車場内に見つけました。

 
 駐車場の出入口に祠が1つ、ぽつんと鎮座しています。衝突防止用のカラーコーンが置いてあるところから察すると、この土地が駐車場になる以前からここにある祠で、車のために移動されることはなかったのでしょう。

 
 祠の中からおキツネさんが2体、顔を見せています。

 由緒等は不明ですが、周辺がきちんと清掃されており、ていねいにお祀りされている祠のようです。

EOS R, EF24-105mm F4L IS USM

柏木1丁目小社

 柏木1丁目小社( 宮城県仙台市青葉区柏木1丁目2-11)


 小さな社の訪問記を2つほど掲載します。

 1つ目は仙台市青葉区のみやぎ生協柏木店のほど近く。写真左奥、修繕中の黒いシートがかけられたマンションの手前を右に曲がります。


 3階建てのマンションと戸建て住宅の間に鳥居が見えてきます。


 鳥居と小さな社殿だけの神社です。社名の記載もなく由緒も不明です。神社とはいえない、小さな地域で祀られている祠なのかもしれません。


 社殿の前に「正一位稲荷大明神」の小さな幟が掲げられ、社殿の中にはおキツネさんがいることからお稲荷さんであることが判ります。

 お茶やジュースなどがたくさん供えられていました。地域の中で大事にされているのでしょうね。

EOS R, EF24-105mm F4L IS USM

2023年11月8日水曜日

宇那禰神社

 宇那禰(うなね)神社(宮城県仙台市青葉区芋沢字明神14-1)


 国道457号を芋沢周辺で西に入ると仙台市立大沢小学校の向かいに宇那禰神社の白い鳥居が見えてきます。

主祭神 桓武天皇

室町時代以来の古社であり、芋沢村の「安永風土記」によれば、はじめ郷六に所在したという。当社に伝わる中世の棟札には、いずれも国分家臣・郷六氏と関係があるとされる施主の名が記されてあり、郷六氏の氏神であったと推定される。また現在地に遷座された年代は不明ながら、棟札の記述から、永禄5年(1562)よりも後のことと考えられる。(境内掲示の由緒説明から引用)


 社殿は、素木造一間社流れ造(しらきづくりいっけんしゃながれづくり)、屋根はこけら葺きであり、建築された時期は江戸時代初期から中期頃と考えられるとのこと。たいへん歴史を感じさせる建物です。

 この日は七五三のお参りに訪れている家族連れがおり、上がり口に靴が並んでいました。


 拝殿後方の本殿は、木の囲いで守られています。



 社殿に掲示されている装飾もいい雰囲気です。




 境内には巨大な古木が生い茂り御神木になっています。中には樹齢400年の木もあり、4本の木が仙台市の保存樹木に指定されています。


 ところで、私はこの神社名の宇那禰の読み方をなかなか覚えられず、このブログを書いていてやっと頭に入ったのですが、今はあまり耳慣れない「宇那禰(うなね)」という言葉の意味を少し調べてみました。

 「ウナネ」は「宇奈根」もしくは「宇那根」の字が当てられることが多く、「ウナネ社」は全国に存在するとのこと。「宇奈根」は「首の付け根」の意味で、「ウナネ社」は河川の神の怒りを鎮める、治水の守護神的な性格を担って創祀されたと考えられるとのことです。(牛山佳幸氏『「ウナネ」および「ウネネ社」について』を参照)

 この神社がかつて鎮座していた郷六地区には現在も広瀬川という大きな川が流れていることから、この社が洪水の除去を祈願するための勧請神社であることは想像できます。

 その他、旧仙台藩領に特徴的に分布するウンナン神(鰻の神)との関連を指摘する説など、諸説があるようです。

EOS R, EF24-105mm F4L IS USM

2023年11月3日金曜日

長老神社

 長老神社(宮城県七ヶ宿町長老166)



 七ヶ宿町の長老湖に紅葉を見に出かけ、足を伸ばして神社を訪問しました。





 神社周辺の紅葉も今が盛りで、これまで見た中でもっとも美しい神社でした。




 石段を登りきるとコンパクトな社殿がひとつ鎮座しています。


 木々の紅葉が実に見事で、ウエディング・スポットとして若者人気があるというのも頷けます。


 それはともかく、この神社の由緒が鳥居前の記念碑に記されてありましたので引用します。

長老開拓入植50周年記念碑
原生林の荒野を50年の歳月をかけ 過重労働の汗の結集で切り拓いた大地 臥薪嘗胆の思いで築き上げた歴史と文化 先駆者の辛苦に耐えた開拓精神が 永遠に後継者に受け継がれ この地がますます発展へすることを願い 長老神社神殿を奉建し記念碑を建立する(平成11年11月11日長老開拓地区民一同)

 記念碑には神社の「神殿」を奉建するという記載ですが、この地を開拓された方が入植する以前は誰もここに住んでいなかったので、社殿だけではなく神社そのものを創祀したのもこの方々なのでしょう。

 辛苦に耐えた魂を慰めるとともに、地域の中で手を合わせる的としてこの神社を作ったとすれば、この社はまさに氏神の本質を体現した神社だと思います。

EOS R, EF17-40mm F4L USM 

2023年10月31日火曜日

石留神社

 石留神社(宮城県仙台市泉区市名坂石止)

 二柱神社から南に徒歩5分ほどの七北田川堤防沿いに鎮座しています。奥に見える白い屋根は、J2ベガルタ仙台のホームグランドであるユアテック・スタジアムです。



 鳥居と本殿、倉庫のような社殿だけの小さな神社です。


 しかしながら、鳥居の前に掲示してある案内板によると、この社は1619年に七北田川を遡ってきた異石が拾い上げられ、祀られたことに由緒を有する歴史ある神社でした。

 宮城県神社庁発行の「宮城県神社名鑑」には石神神社は二柱神社の境内社とされ、次のように記されています。

(二柱神社の)境内社の石止神社は、封門風土記に御霊神社、成石留明神と称し、後水尾帝元和5年(1619)邑民備前なる者の勧請とあり、古来疫病除の守神として近郷の崇敬が篤い。


 「宮城郡誌」には「(石留神社の)宮殿腐食するを以て明治11年(1878)本社(二柱神社)境内に遷宮奉仕せり」との記述があるようです。

 現在、石留神社の管理運営を二柱神社が行っているのは確かなようですが、いったん境内社とされながら、この社がなおここにとどまっているのはなぜなのでしょう。今でも集中豪雨の際には氾濫することがある七北田川から地域を守る神様として、この場所を離れられないからなのでしょうか。いろいろ想像をしてみたくなります。

EOS R, EF17-40mm F4L USM

二柱神社

 二柱神社(宮城県仙台市泉区市名坂字西裏62)


 仙台市地下鉄南北線八乙女駅から北に900m進んだ旧県道沿いに鎮座しています。


主祭神 伊邪那岐命(いざなきのみこと)、伊邪那美命(いざなみのみこと)

昔から神様を一人二人と云わず一柱二柱といいました。当社はイザナギノミコト・イザナミノミコトの2人の神様をお祀りしている為、二柱神社と申します。当社は万壽2年(1026年)に市名坂の修林壇(現在の七北田字東裏付近旧社 殿地現存)にお祀り(神社の記録)されました。その後、天正年間(1573年~)には 地域豪族国分氏の荘園三十三ヶ村の内 市名坂・七北田・北根・野村・上谷刈 古内・松森・鶴谷の8つの村の総鎮守 (氏神様)として祀られるようになりました。国分氏が滅亡してから伊達氏の時代に、万治年中(1658年~)七北田・市名坂に宿場町が開かれるようになり神社も、市名坂冠川(七北田川)の付近に霊地を占い、寛文2年(1662年)4月に現在の場所に遷られました。また明治5年(1872年)9月七北田村社となり村挙げてのお祭りが行われ、神社境内地の整備等の事業を推し進める中、昭和4年(1929年)8月31日未明、原因不明の怪火により社殿全焼という悲劇に見舞われました。現在の社殿は満洲事変以後の極めて物資の確保が困難な時に役員・氏子の十余年に亘る努力のもと、昭和16年(1941年)5月に完成したものです。(神社HPから引用)



 当社は、古事記冒頭の「我が身は、成り成りて成り余れる処一処あり。故、此の吾が身の成り余れる処を以ちて、汝が身の成り合はざる処に」に登場するイザナギミコト、イザナミノミコトの二柱を祀っているゆえか、近年は縁結びの神様として知られるようになりました。

 鈴紐にもハート型の飾りがついています。この日も若い女性が御朱印をいただきに訪れていました。


 境内社の雷神社


 昔の鳥居だったらしい扁額のついた石柱が残っています。


 平日にも関わらず巫女さんが常駐している大きな神社です。若者に人気の神社らしく境内は華やかな雰囲気に満ちています。


 とはいえ、これはちょっとやりすぎのような気も・・・。確かにこの日はハロウィン当日ではありましたが。

EOS R, EF17-40mm F4L USM