2023年11月21日火曜日

姥神神社

 姥神神社(宮城県仙台市宮城野区銀杏町7-35)

 宮城野区銀杏町の宮城野八幡神社の奥に姥神神社があります。



 境内には樹齢1200年といわれるイチョウの雌株があり、国の天然記念物に指定されています。



 このイチョウの樹は幹から出た気根が乳房のように垂れている様子から「乳銀杏」と呼ばれ、銀杏町という地名の由来になっています。

 私は1か月前からこの樹をウォッチしていて、いつ黄色く色づくのかとやきもきしていましたが、やっとこの時が訪れました。ほかの場所のイチョウはとっくに色づき落葉しているものも多い中で、元気なおばあちゃんという感じです。


 さて、この樹の下に小さな祠があって姥神が祀られています。


 仙台市のHPによれば、「今も多くの人たちが姥神を訪れ、『子どもの健やかな成長を願い、母乳がよく出るように』と祈願する姿がよく見かけられ」るということです。

EOS R, EF17-40mm F4L USM 

2023年11月19日日曜日

村境榎稲荷大明神

 村境榎稲荷大明神(宮城県仙台市青葉区二日町5-1)


 仙台市役所から西に300mほどの小さな公園の中に鎮座しています。



村境榎稲荷大明神は、かつては荒巻村小田原村の境にあって祀られてあり、仙台城下が造成された時には、その入会の地となっており、かつての村境であった証拠といわれ、その後、現仙台市庁舎の東北隅に近く鎮座致し、昭和二十年(1945)七月戦災のため焼失致しました。御神体は、大きな榎の木の下にあり無事でした。今般二日町五番のチビッ子広場に遷座致しました。 崇敬者一同 (境内由緒碑から引用)


 荒巻村と小田原村の境ということは、この社はかつては現在より少し北に位置していたと思われますが、正確な場所は判りません。

 昔の人は村の中だけで一生を終えることも多く、村境では恐ろしい病から村を守るなど厄除けの意味で様々な習俗が行われていたようです。この神社もそのような役割を担っていたのかもしれません。


 社殿の中を拝見したところ、小さな祭壇が置かれ、榎の枝と塩、米、酒が供えられていました。塩と米はお供えされたばかりという感じで、毎日神様のお世話をしている方がいるようです。

EOS R, EF17-40mm F4L USM 

2023年11月18日土曜日

山ノ神社

 山ノ神社(宮城県仙台市泉区上谷刈松林83)


 県道仙台大衡線を北上し泉パークタウン入口を通過してすぐ右折すると、小さな社殿が見えてきます。



 社殿といくつか並んだ石碑だけの小社です。社殿のわきに由緒を筆書きした木版が掲げてありました。


山ノ神様木花咲耶姫宮林後七六-一(略)屋敷内から、この地に移転安置する 平成23年11月吉日 向八木澤講中


 木花咲耶姫(コノハナサクヤヒメ)は、日本神話に登場する美しい女神で安産・子宝の神様。
 社殿の中を覗いたところ、若い女性の像が収められており、木花咲耶姫像と思われます。大切にお祀りされているようです。

EOS R, EF24-105mm F4L IS USM

仁渡神社

 仁渡(にわたり)神社(宮城県仙台市泉区古内)


 県道264号大衡仙台線を桜ヶ丘方面から北上し泉パークタウン入口の手前で右折すると、水田地帯の杉木立の中に鎮座しています。



 境内はきれいに清掃されています。


 由緒等不明ですが、鳥居のわきに平成5年(1993)に木の鳥居を石製に建て替えた際の経緯を記した石碑があり、多勢の氏子の名が刻まれていますので、今も地域で大切にお祀りされているようです。

 社殿の扁額には雲水社の記名があり、この社の別名だとか。ただ、社殿の中を覗いたところ、昔のものと思われる小さな本殿が収められていて、その扁額には仁渡宮と記されてありました。


 「ニワタリ神」は北関東から東北を中心に祀られていた神で、現在も関連する神社が存在するとのこと。祭神の傾向として、水を分配する神である天水分神(あめのみくまりのかみ)・国水分神(くにのみくまりのかみ)という神が一定数設定されており、ニワタリ神の「治水、灌漑の神」としての要素からの連想であろう、との説もあるようです。

EOS R, EF24-105mm F4L IS USM

2023年11月15日水曜日

北山の祠

 北山の祠( 宮城県仙台市青葉区北山2丁目5-22)

  小さな社の2つ目は、青葉区北山のおもちゃ屋「横田や」さんの向かいある駐車場内に見つけました。

 
 駐車場の出入口に祠が1つ、ぽつんと鎮座しています。衝突防止用のカラーコーンが置いてあるところから察すると、この土地が駐車場になる以前からここにある祠で、車のために移動されることはなかったのでしょう。

 
 祠の中からおキツネさんが2体、顔を見せています。

 由緒等は不明ですが、周辺がきちんと清掃されており、ていねいにお祀りされている祠のようです。

EOS R, EF24-105mm F4L IS USM

柏木1丁目小社

 柏木1丁目小社( 宮城県仙台市青葉区柏木1丁目2-11)


 小さな社の訪問記を2つほど掲載します。

 1つ目は仙台市青葉区のみやぎ生協柏木店のほど近く。写真左奥、修繕中の黒いシートがかけられたマンションの手前を右に曲がります。


 3階建てのマンションと戸建て住宅の間に鳥居が見えてきます。


 鳥居と小さな社殿だけの神社です。社名の記載もなく由緒も不明です。神社とはいえない、小さな地域で祀られている祠なのかもしれません。


 社殿の前に「正一位稲荷大明神」の小さな幟が掲げられ、社殿の中にはおキツネさんがいることからお稲荷さんであることが判ります。

 お茶やジュースなどがたくさん供えられていました。地域の中で大事にされているのでしょうね。

EOS R, EF24-105mm F4L IS USM

2023年11月8日水曜日

宇那禰神社

 宇那禰(うなね)神社(宮城県仙台市青葉区芋沢字明神14-1)


 国道457号を芋沢周辺で西に入ると仙台市立大沢小学校の向かいに宇那禰神社の白い鳥居が見えてきます。

主祭神 桓武天皇

室町時代以来の古社であり、芋沢村の「安永風土記」によれば、はじめ郷六に所在したという。当社に伝わる中世の棟札には、いずれも国分家臣・郷六氏と関係があるとされる施主の名が記されてあり、郷六氏の氏神であったと推定される。また現在地に遷座された年代は不明ながら、棟札の記述から、永禄5年(1562)よりも後のことと考えられる。(境内掲示の由緒説明から引用)


 社殿は、素木造一間社流れ造(しらきづくりいっけんしゃながれづくり)、屋根はこけら葺きであり、建築された時期は江戸時代初期から中期頃と考えられるとのこと。たいへん歴史を感じさせる建物です。

 この日は七五三のお参りに訪れている家族連れがおり、上がり口に靴が並んでいました。


 拝殿後方の本殿は、木の囲いで守られています。



 社殿に掲示されている装飾もいい雰囲気です。




 境内には巨大な古木が生い茂り御神木になっています。中には樹齢400年の木もあり、4本の木が仙台市の保存樹木に指定されています。


 ところで、私はこの神社名の宇那禰の読み方をなかなか覚えられず、このブログを書いていてやっと頭に入ったのですが、今はあまり耳慣れない「宇那禰(うなね)」という言葉の意味を少し調べてみました。

 「ウナネ」は「宇奈根」もしくは「宇那根」の字が当てられることが多く、「ウナネ社」は全国に存在するとのこと。「宇奈根」は「首の付け根」の意味で、「ウナネ社」は河川の神の怒りを鎮める、治水の守護神的な性格を担って創祀されたと考えられるとのことです。(牛山佳幸氏『「ウナネ」および「ウネネ社」について』を参照)

 この神社がかつて鎮座していた郷六地区には現在も広瀬川という大きな川が流れていることから、この社が洪水の除去を祈願するための勧請神社であることは想像できます。

 その他、旧仙台藩領に特徴的に分布するウンナン神(鰻の神)との関連を指摘する説など、諸説があるようです。

EOS R, EF24-105mm F4L IS USM