燕沢東小祠(宮城県仙台市宮城野区燕沢東2丁目5)
宮城野区燕沢東の県道仙台松島線(通称、利府街道)沿いを少し奥に入ったところに小祠があります。
個人の氏神のようでもあり、外に通じる参道が整備された社であるようにも見えます。
祠の中を覗いてみたところ、お狐さまが一対祀られていました。由緒等は不明です。
なお、ネット上には、この社はここの近くにあった糠塚(ぬかつか)古墳に鎮座していた春日神社を古墳の整理に伴いこちらに遷座したものだ、という書き込みがありますが、裏付ける資料を確認することはできませんでした。
糠塚古墳は、利府街道を挟んで当社の向かい側にあった古墳で、今は地元の新聞社の販売所になっています。
この古墳は、直径30m、高さ5mの円墳で、昭和37年(1962)に宅地造成工事が行われるにあたり調査が実施されたものの、出土物はなかったとのこと。出土物がなかったため、古墳の年代を客観的に示せないが、その形態から古墳時代中~後期であると位置づけられるそうです。
調査後は宅地造成のため削平され消失したため、現在は位置だけは確認できる状況にあるとのことです。(以上、結城慎一「糠塚古墳」、『仙台市史』(1995)特別編2(考古資料)所収を参照)
EOS R, EF24-105mm F4L IS USM
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2024.10.25 追記
当社に係る文献をひとつ見つけたので引用します。
「春日神社」は、利府街道を東に善修寺から200メートル程で左折し、北に50メートル程の処(右側)にある嶺岸家の宅地内にある石祠である。(略)かつては、糠塚(利府街道の傍らの約五メートル周囲の塚であったが、昭和三十二年の産業道路工事のため撤去)の上にあり、東国経営の守護神そして藤原氏の氏神、当時の大地主の氏神としても祀られていたと推測されている。現代になって、平成五年(1993)には嶺岸家の氏神として祀られ、道路に沿った細い参道があり、石段(五段)の上にある。(飯塚景記「古い祠堂や石仏石碑を観て歩く」)